Dublin
気付いたらそこはダブリンだった。
雪深い街をタクシーで走っている。
目の前に広がるのは、有名な暗い街並み。
突然、出張を命じられた僕は
地球の裏側にきていた。
鼻の高い男たちと仕事をしたり、
パブで酒を飲んだりして過ごした
僕は、寒い街で感傷にひたる時間もなく帰国した。
帰国後、うっかりお土産を買うのを忘れ、
あわててカルディへ。
菓子を片手に、出張の世話をしてくれた
人事の人にお礼にいくと、
「ごくろうさま。こっちも大変だったのよぉ、急だったもんねえ」
と人事のおばちゃん。
・・・・・というところで僕の夢は醒めた。
寝ぼけて、まだ「カルディいかなきゃいかなきゃ」
と焦っていた。
不意の旅行を見せてくれたのは、
昼食後にのんだハウスワインだった。
ダブリンにいったことはない。
天気がよかった今日、スーツを脱ぎたくなった僕は
昼過ぎに帰宅。井の頭公園に散歩でもいこうかな、
とか思いながら、昨日半分空けたワインを手に
「昼さがりの酒ってサイコウ!」
なんて思っていたら、
眠ってしまったのだった。ありがとう、ワインさん。