土を踏むということ/Impression of soil.

yudgw2005-12-28

▼愕然とする事実。・・・というと大袈裟だが東京に暮らしていて
土を踏まない人は多いはずだ。
自宅と職場、学校の間で土の上を歩く人は皆無に等しい。
▼なんて不幸なことなんだろう。
そんなことさえ忘れている。
60年前、東京には土の地面ではないところの方が少なかった。
無論、東京が焼け野原だったからである。空襲以前にしてもいまよりも"都市部"が
小さかっただけに土の地面を踏まない人も多くは無かったであろう。
このたった60年の間に"土を踏む人口"は激減したハズである。
▼「海」に愛を思い出す人は多くとも、「土」のことを想う人は少ない。
原始の記憶が海への愛を沸かせる・・といわれているが、いつか「土」への想いも
「海」同様になってしまう日が来たらなんと不幸なことか。
「お父さん、土踏まずってなに?土なんて滅多に見ないけど・・・」
これが22世紀の会話なのだろうか。
▼裸足で踏む土はとても気持ちがいい。
海よりは近しい原始の記憶なのか。いや、本能というべきだろうか。
Lohasがスタイルとして(ある種のオシャレな記号として)、取り沙汰されても
結局、この消費大国では消費の一部分、単なる新しいマーケティングターゲットとなってしまう。
森の生活はもう取り戻せない。
しかし土まで失ってしまってもいいのだろうか。